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2011年6月16日木曜日

ジャマイカ債務問題とIMF

「ジャマイカは、国全体のニーズよりも債権者の利益が優先される場合には特にだが、過大な債務の重圧が課す長期的コストの問題における明白な事例であると言える」、新レポートではこう述べられている。自ら豊かな国々のために取り続けた手法のために、限界状態のジャマイカの保健分野では、毎年一般看護士の8%、専門的看護士の20%が失われている。

海外移住の動機は様々であるが、公的支出の制限による保健医療分野の労働者の待遇や賃金の不安定な環境があるために、海外の雇用を探す決意をした方がより楽であろう。

資格を持ったヘスルケア労働者が不足し、ジャマイカの保健福祉におけるミレニアム開発目標を達成するための取り組みに相当な懸念が生まれている。だが保健福祉セクターは、ジャマイカが抱える巨額の債務と財政問題に対処するために採られる政策のしわ寄せを受けているいくつもの機関の一つに過ぎない。

ジャマイカが外国に対して抱えている債務は世界金融危機以降30%以上増加しており、今や国民一人当たり1800ポンド(約23万円)以上に達している。ジャマイカ政府は毎年国民一人当たり240ポンド(約3万円)を債務の返済に充てており、その額は教育(130ポンド)と保健福祉(60ポンド)の合計よりも多い。国民一人当たり年間所得が2900ポンド(約38万円)のジャマイカは、「十分貧しくはない」ために債務帳消しを検討された事がない。

経済政策研究所(CEPR)のジェイク・ジョンストンとアントニオ・モンテシーノはジャマイカの債務問題におけるIMFの役割を詳細に記した新しいレポートの中で、こうした社会的・経済的困難はIMFが融資を回収するために推奨したコンディション(貸付条件)によってかなり増長されたと述べている。特に、賃金の抑制、増税、公的支出カット、経済の自由化などによって経済的・社会的発展が阻害されてきたと非難されている。

近年の世界的な不況によりジャマイカは破産の瀬戸際に追い詰められており、利息の支払いが税収入の65%に達している。ジャマイカは現状維持のためにIMFより更なる貸付を受けている。IMFのコンディションの一つは、公的セクターの労働者の賃金を3年間据え置きにするというものであり、ジャマイカの最高裁が以前の約束を破っているとして違法と宣告したものである。カリブ海諸国で現状及び予測されるインフレ率を考慮すれば、この据え置きは所得の25%減少に相当するものと思われる。

マーク・ウエイスブロートCEPR共同所長はこう解説する。「ジャマイカはIMFやその他の国際的機関によって経済に拘束衣を着せられている明確な事例である・・・ジャマイカは長期に及ぶ不況から脱するために債務帳消しと経済刺激策を必要としているが、そのどちらも達成されていない。」

2011年6月2日

(翻訳:高丸正人)

原文:

http://www.jubileedebtcampaign.org.uk/The%20IMF%20and%20Jamaica%92s%20Debt%20Problem%20+7018.twl

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