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2010年2月21日日曜日

幸せのためのコーヒー

世界中の人々がコーヒーを飲むことを楽みとしている。コーヒーは世界最大の産業の一つである。コーヒー産業は毎年何十億ドルの利益を上げている。世界には何十万件ものコーヒーショップがある。だが、コーヒー産業はある問題を抱えている。コーヒー豆を育てている多くの農民が十分なお金を得ていないのだ。今日はこの問題を取り上げ、この状況を変えるために奮闘している2つの運動を紹介しよう。



お金を得るためには、農家はコーヒーをコーヒー業者に売らなければならない。この業者はコーヒーをコーヒー会社に売る。だが、コーヒー業者は大抵は農家から買ったコーヒーをかなり高い値段で売っている。業者は農家に十分なお金を支払わない。また農家はコーヒーの値段を決めることができない。多くの場合、農家は業者にコーヒーを売らなければ、他にそれを売る方法がない。彼らははやむを得ずコーヒーを安い値段で売らなければならないのだ。

だが、こうした農家たちを助けようとする運動がある。フェアトレードだ。団体はコーヒーを農家から直接買い付ける。また、農家と一緒に公正な値段を取り決めている。フェアトレードによって農家は家族を養い、家を手入れし、商売を拡大できるのだ。

こうしたフェアトレード団体の一つにスタンプ・タウンという団体があり、アメリカに8つの店舗を持っている。デュアン・ソーレンセンはスタンプ・タウンの経営者だ。スタンプ・タウンは多くの国のコーヒー協同団体から直接仕入れている。また、彼らはこうした団体と一緒にコーヒーの品質改善を行っている。このことで、農家がより高い値段でコーヒーを売れるよう手助けしているのだ。

2006年、ソーレンセンはルワンダのコーヒー農家を訪ねた。農家はカラバ・コーヒー共同組合の一員である。農家はとても特別な品種のコーヒーを育てている。このコーヒーの味はとてもすばらしいが、育てるのが難しい。ソーレンセンはこのコーヒーを買いたいと思った。だが、同時に彼は農家と一緒に仕事をしたいと思ったのだ。彼は、どうやってコーヒーの改良を手助けしたらよいかを聞いた。

農家は、必要なものは自転車である、と説明した。彼らはコーヒーを高い丘の上で育てる。だが、加工処理センターは谷の中にある。コーヒーを売るためには、彼らは悪路を通って丘を降り、センターまで運ばなければならない。そして、これが問題となっているのだ。

小さなコーヒー豆は果物の一種の実の中で成長する。コーヒー豆は素早く処理されないと、痛んでしまう。味も悪くなる。農家がコーヒー豆をすばやく加工処理センターに運び込めば、豆は痛まずにすむだろう。

研究者によれば、ルワンダには約50万戸のコーヒー農家が存在する。人口の5分の4がコーヒー産業に依存している。そのため、輸送は重要な要素である。ルワンダの農家の多くはコーヒーの袋を頭に載せて運んでいる。彼らは高い丘の荒れた道を歩いて降りていく。これは非常に大変な労働であり、時間と労力を要する。

こうして、農家との話し合いを終えて、デュアン・ソーレンセンはアメリカに戻った。彼は「ルワンダに自転車を」という団体を立ち上げる。彼はコーヒー農家に貨物用自転車を送るためにこの団体を作ったのだ。この貨物用自転車はコーヒーの大きな袋を運ぶために特別な部分を後ろに設けてある。この自転車は非常に丈夫だ。彼らはたくさんのコーヒー袋を運ぶことができるだろう。

「ルワンダに自転車を」の人々が農家に新しい自転車を持って行った。彼らは農家に、自転車が荒れた道の上で使えるかどうかを聞いた。コーヒー農家は自転車にとても喜んだ。この自転車はとても役に立ったのだ。こうして、「ルワンダに自転車を」は400台の貨物用自転車を購入した。

だが、この団体は農家に自転車を無料で与えたわけではない。彼らは農家に自転車を安い値段で売ったのだ。農家は自転車を買うために長い期間で少しずつのお金を支払うことが可能だった。団体は農家が自転車を大切に扱うように、とこうしたのである。

農家は自転車を使い始めた。農家は加工処理センターによりすばやくコーヒーを運び入れることができたので、より多くのお金を得ることができた。また、農家がコーヒーを運ばないときは、自転車を家族や友人のものを運ぶために使った。また、「ルワンダに自転車を」は、地元の人々に自転車の修理と改良方法を教えた。このことは、農家が自転車を将来に渡って何年も使えることを意味しているのだ。

毎日、人々がスタンプ・タウンでコーヒーを買っている。このお金の一部は「ルワンダに自転車を」に行く。これはもう一つのコーヒー会社の仕事に近いものだ。プラ・ヴィーダ・コーヒー社はコーヒーの加工処理と販売を行っている。彼らの目標はコーヒービジネスを通じて「より良きものを作り出す」ことである。彼らは、ビジネスと援助団体はともに働くことができるということを示したいと思っている。そうすることで、より多くの人々のためになるのだ。彼らの名前にある、「プラ・ヴィーダ(Pura Vida)」とはスペイン語で純粋な人生を意味する。

プラ・ヴィーダ・コーヒー社はフェアトレードコーヒーのみを扱っている。だが、会社はコーヒーを栽培している地域社会を改善するプログラムも実施している。プラ・ヴィーダ・コーヒー社はコロンビア、エチオピア、グアテマラ、メキシコ、ニカラグア、ペルー、スマトラのコーヒー農家とともに仕事をしている。これらの地域で数千のコーヒー農家が会社の支援を受けている。

ニカラグアでは、プラ・ヴィーダは161世帯の地域を支援している。この地域では清潔な水がない。プラ・ヴィーダは井戸を掘ったり、ポンプの購入、水の浄化システム建設を支援した。地域の子どもたちは病気にかかりにくくなり、家族は汚れた水を心配しなくても良くなった。こうして地域は力強くなった。そして、力強い地域はコーヒービジネスをより強くしていくことができるのだ。

プラ・ヴィーダとスタンプ・タウンはお金を得ることと人々を助けることがバラバラになってはいけないことを知っている。ビジネスは人々の暮らしを良くすることができる。フェアトレードコーヒーは世界中の農家の助けになるのだ。だが、スタンプ・タウンやプラ・ヴィーダにような会社は、これらをさらに良いものにしてきた。彼らは地域全体のために仕事をしているのだ。

クララ・シーショルツは「ルワンダに自転車を」で働いている。彼女はこのようなビジネスをこう説明する。

「コーヒーは、これらの人々にとって、貧困から抜け出す手段なのです。これは、業者と農家を結びつける範囲においては十分な発想でした。われわれは最高の品質のコーヒーを提供し、コーヒーを生産するこれらの人々の生活をより良いものにするために、高い値段を支払っています。われわれは彼らが利用することができ、幸せになれることをコーヒーを一緒に提供し、彼らはわれわれに本当に素晴らしいコーヒーを提供しているのです。」

コーヒーを飲むことは世界中の人々にとって心地よい行いである。だが、それはまた、多くの農家のより良い生活を与える方法でもある。これらの農家のために、コーヒーはより良いものを生み出している。

(翻訳:高丸正人)

原文は、http://spotlightradio.net/listen/coffee-for-good/

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