東日本大震災で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

ジュビリー九州は地震津波及び原発被害地域の一日も早い復興を願い、各運営委員も支援の取り組みを行っています。そのためジュビリー九州の活動が遅延しておりますが、皆様のご理解をいただければ幸いです。
一方で債務問題を巡る状況は先進国・途上国を問わず深刻化しており、他団体とも連携しながら情報発信を進めています。今後も引き続きご支援のほど宜しくお願いいたします。

2009年5月11日月曜日

債務が削減されると

フェリスタス(ザンビア)の場合2003年、ザンビア: フェリスタス・ジェレの学校は荒れ果てた厳しい環境にある。 彼女の黒板は地面の上だ。 教師は無報酬のボランティア。 フェリスタスが丁寧に数字を書いていくと、風で飛ばされた砂が彼女の目に入る。 これが彼女の望む一番良い教育なのだ。 6歳のフェリスタスは世界の裕福な国々に対してザンビアの持つ債務を支払っている。

ザンビアは、人口の85%が極度の貧困状態にあり、教育に対する支出の5倍を債権国への利息の支払いに当てている。 そのため多くの子どもたちのために学校を建てる費用がまかなえず、立てられたわずかな学校でも維持するために学費を徴収しなければならない。

フェリスタスの母、パトリシアは未亡人だ。 彼女は月17ポンド(約2500円)の収入で二人分の子どもの学費はまかなうことができるが、三人全てまかなうことはできないと言う。

そのため、フェリスタスは首都ルカサの郊外に輸送コンテナを荒地に流用して建てたフリースクールに通っている。 フリースクールは海外の支援者によって設立されたもので、公立の学校に行くことのできない子どもたちに基礎教育を行っている。

ザンビアは国際通貨基金に対するものだけでも教育に使うことができるかもしれない額よりずっと多いお金を債務返済に充てている。 それにも関わらず、地方に住む女性の40%は読み書きができないという事実がある。

2006年、ザンビア: 2005年のグレンイーグルスG8会合の結果、ザンビアは20億ポンド(約三千億円)の債務帳消しを認められた。今や多くのお金が債務の支払いから自由になり、教育やヘルスケアに出資されている。 ザンビアは教師や医者を雇い、学校や医院を建て、教育や公共医療サービスの費用を減らしたり廃止したりし始めている。 道のりは未だ険しいが、フェリタスの目には未来が光り輝いて見えている。

ピーター(ザンビア)の場合

ザンビア、カフエ: ピーター・チビズはハンカチでベンチのほこりを払い落とすと、じっとしながら、胸の痛み、頭痛、ひどい咳の症状をどうすれば無料で診てもらえるよう医者に説得すればいいかと苦しみの表情を浮かべていた。 彼は医療費を支払うことができなかったため南ザンビアのナンゴンウエ医院に行くのを先延ばしにしてきたが、結局痛みに耐えかねて村から12マイルを歩いてやって来たのだ。

「次の方どうぞ」、診察室から大声で呼び出されると67歳の彼は心配そうに立ち上がった。 彼は治療費を支払う必要はないことを告げられると、あっという間に顔を輝かせた。 ザンビアは土曜日の公的医療サービス費用負担を廃止した。これは昨年、裕福な国々で構成されるG8グループがアフリカの国々に債務免除を認めたことによる最も重要な恩恵の一つであった。

「私にとっては夢のような出来事だ。」、とチビズは言った。

「診療所に行ってもお金を払わなくていいなんて、すばらしいことだね。」

ロイター、2006年4月13日

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